鬼よ、笑え!(つまりは来年についてのYOSOUです…)

 トマパイことTomato'n Pineが12月29日の初ワンマンライブを持って「散開」することを発表しました。このことについては、あーだこーだ言う気になれないというのが現在の正直な気持ちです。ただただトマパイの3人とスタッフの皆さんに、ありがとうの言葉を。


 …と湿っぽく始まる久しぶりの更新となりますが、ここ数年の新人女性アイドル結成ブームも一つの締めくくりを迎えていることは間違いないと思います。プラスの面からいえば、とりあえず、ももいろクローバーZが今回のシングルを持って、一般的なブレイクに至ったのは間違いないところでしょう。オリコンのデイリーの推移だけでなく、iTSやレコチョクの配信ランキングでも好調なスタートを切っています。このまま紅白出場が決定すれば、来年の一段の活躍は約束されたも同然となるでしょう。それにしても、ここから長かったなあ。


 かたや現在、最も隆盛を極めるAKB48を初めとする所謂「48G(グループ)」についてはAKBが、前田敦子さん卒業後、当然ではありますが下降局面に入りました。ただし、これは現時点、非常に緩やかなペースで48G運営側も「想定の範囲内」に収まっているのではないでしょうか。NMBについては早くも売上減少の傾向が見られますが、SKEについては現状キープの様相です。来年のHKTのメジャーレコードデビューが、どのような結果になり、それが48G全体に、というか恐らく更にHKTから人材をピックアップしてくるだろうAKBに、どう影響を与えるかが来年の戦略の中心だと思われます。


 もう一つ周辺的な事象に触れておくと、K−POPの女性グループのブームがひと段落したということもあります。これは政治社会状況からくる韓国離れが収まらない限りは、この流れは止まらないと思われます。


 さて、もう少し俯瞰的に音楽を取り巻く環境の変化を見ておきましょう。とはいえ、それほど大きな変化にいたるだろう兆しは、あまり見えていないというのが現状でもあります。一番、大きなトピックはソニー音源のiTSでの配信開始でしょうが、これをもって直ぐに大きな変化は予想できないと思われます。確かに、ほぼほぼ全てのカタログが、一つの配信プラットフォーム上で入手できるようになった部分はありますが、大きな市場を持つジャニーズは未だ未配信の状態ですので、単純にカタログの増加と言うに留まるとも言えます。
 それよりも、大きなメディアの変化がないと状況の根本的な変化は見えて来ません。その点ではスマートフォンに加えてタブレットPCの普及が鍵。ここにはモバイル通信のインフラの整備、amazonでも開始されたクラウドサービスの展開も同時に必要となります。これは来年から徐々に変化が見えてくる分野になるのかな、と思っています。


 とはいえ、そこには「まずはコンテンツ」という部分も大きなファクターになるでしょう。その点でアイドル方面で特に盛んになっているUSTREAMやニコ生のライブ配信番組は注目に値するところです。ただし、更なる番組の質の向上というのは必要なところです。そのような番組の総合的な質の点ではトマパイのイベントの配信も行っている2.5Dは、有名なDOMMUNE以上にスタジオ環境の規模と言う点で評価できる部分もあります。後者は先ごろ開局した渋谷タワーレコードを拠点とするTOWER REDOMMUNEによって、そのディスアドバンテージを解消する方向に向かっています。
 これらのWEB放送局のコンテンツがタブレットPCを中心とする新しいモバイル端末と結びつくことで大きなムーブメントを起こせるかというのが来年の課題とも言えるんじゃないでしょうか。
 そして、そのモバイル端末には光学ドライブは装備されていません。いよいよCDから配信への移行が加速されるのは間違いありません。ただし、その「配信」のかたちは更に多様になっていくとも言えます。


 てな感じで、来年のYOSOUが、もう少し続きます。