ガールポップ独立宣言!

 明日は「BUBKA」の発売日ですか。最近、微妙に楽しみにしてる筆者ではありますが、「アイドル戦国時代同時進行ドキュメント どうなる!? ももいろクローバー」と銘打ちにながら、原稿の締め切り上、25日(金)の「ももクロ×かまってちゃん」の対バンのレポートはないわけで、月刊誌の悲哀というやつですね。ブログでレポすれば良いのに。
 WEBでのレポートでは「Waste Of Pops 80s-90s」の2/26の記事が素晴らしいです。
 それにしても「BUBKA」、いかがなものか。他の記事タイトルでも「AKB48へ新たな挑戦者が誕生 劇場潜入レポート『NMB48、どうでっか!?』」なんて、私が指摘した「アイドル戦国時代という言葉をAKB連合内の競争に還元してしまう危険性」を地で行っていてガッカリですよ。
 それから私は吉田豪氏をかなり敬愛している者ではありますが「BLT」最新号でのTomato n' Pineインタビューで、どうにも「戦国時代」的なアングルを手放せない、ご様子なのには、ちょっと不満。それに対してデビュー曲の宣伝で「戦わないガールズ・ユニット」というコピーで返したトマパイ・サイドは流石にセンスがあるなあ。
 その3月9日発売「旅立ちトランスファー」のPVが完成、Gyao!で公開が始まっています。先日の繰り返しになりますが名曲。
 トマパイのことになると私も含めて皆さん「高品質楽曲」という言葉で語ってしまいがちですが、最近、ちょっとそれは芸がないなあ、と思い始めました。
 例えば同じアゲハスプリングスが製作している9nineの最近のシングルなんかも高品質なんですが、アニメソング向けの歌詞を考慮した結果か、あまり彼女たちが歌うことの意味が感じられない、キャラクタが伝わってこない出来。
 海荷がカワイイだけに、とても残念。

 トマパイの場合、マネージメントもしている女性がメンバーとのディスカッションの中から着想を得て歌詞を作っているようで、こういう作業がキャラ立ちや差異化をもたらすんだな、と実感します。いくらミリオンセラーになっても世間の感動を呼ぼうと言う作詞家先生のアザトイ意図だけがミエミエな、どこかのグループの桜に関する曲になんてドキドキしませんよ。impotencyを感じるばかり。


 どうしたら、こういう差異化を出来るのか。参考にするべきは戦国時代とは無関係に確固たる地位を築いているPerfumeを参考にすべきだ、というのは誰でも言えることなので、書かないでいました。
 でも、どう参考にすれば良いか判ったので書きます。彼女たちみたいに「独立」することが大事、だと。
 それは、そこいらの「アイドルになりたいだけ」のインディー系アイドルとは違う意味です。ちゃんと大人たちと向き合って、自分たちで決めた「ぱふゅ〜む」という名前を英語表記するなど、受け入れることは受け入れ、それでもダンスの振り付けはアクターズスクール時代の先生MIKIKOに担当してもらうことを自分たちで決めるなどして渡り歩いてきたことをファンも知っているから、特に握手会などでドーピングしなくても、継続して強い支持を受けているのだと思います。
 ももクロだって、とても他のアイドルがやろうと思わないことにチャレンジするところから独自のポジションを獲得したわけで、こういうものは「戦国時代」という平板な言葉じゃ、とても語れないものだと思います。
 早見あかりが脱退の決心をしたのも、彼女なりの「独立宣言」と考えれば、今後の若手女優としての活躍に期待するばかりです。


 さて、最後に、おそらく「BUBUKA」の宇多丸師匠の連載では取り上げられないだろう、ハロプロ楽曲に触れておきましょうか(この「マブ論」連載も、他の音楽誌みたいにサンプル盤を使えなくても、そろそろ色々な手段を使って世評が固まる発売前に時評すべきだと思いますけどね)。

 というのもBerryz工房ヒロインになろうか!」(3月2日発売)が、つんく♂楽曲では"ひさぶりのヒット"だったので。本当はリンク切れの危険が無い公式のPVを埋め込みたいだけど、この映像が酷いので、テレビ映像を(珍しく口パクなんで音源はCDと同じです)。

 曲調が古い!でも、このぐらい古いとレトロで良い。というか元ネタ「Romanticが止まらない」(筒美京平作曲、船山基紀編曲)ですね、これは。日本なんだから80年代リバイバルならCCBを再評価しましょう。フルはラジオ音源で(「アイドルセンゴクジダイ」という聴きなれない言葉が入ってますが気にしない気にしない)。
 前回は、つんく♂楽曲に厳しいことを書きましたが、当然、全部が駄目なわけじゃなくて、ちゃんと良い曲を選別して出して欲しい、ってことだけなんですよね。
 それから、モーニング娘。の全盛期には確実にメンバーとの対話の中から、あれらの真の意味で「神」がかった楽曲を作っていたはずなんですが、最近のスマイレージのレコーディング風景などをTV番組(「美女学」)を観ると、他の人にボーカル録りのディレクションを任せているようで、そのために、かつてのような「スタジオのマジック」が少なくなっているのでは、なんて思ったりしてしまいました。

「ヒロインになろうか!」はコンサートで披露したのを見て、もう一度手直ししたようで、こういう工夫が大事だと思います。
 発売済みの℃-uteの新曲はメロディの新鮮味の無さが多少、勝ってますが、サビのしつこさが韓国ガールポップの解釈としては正解に近い。ディスコ歌謡路線では、やっぱり本気出せば良い線行くなあ。
 こちらはPVでドキドキしてください。

 さて次回はハロプロから独立した、かに見える吉川友について(予定)。