乃木坂46の楽しみ方(附録 ソニーとアイドル)

 AKB48公式ライバルと銘打つ「乃木坂46」のオーディションは強烈にマッチポンプ感があふれるもので、某業界団体の加盟者であるソニーが、非加盟事務所(UFAアミューズ、スターダスト)が仕掛けるアイドル戦国時代に対する防波堤を打って来たという印象が強いですが、個人的にはかなり面白いと思います。


 ソニーと言えば本サイトがタイトル変更したのと同じタイミングに、出版部門で雑誌「GiRLPOP」を復活させたりして、本格的にAKB景気に沸くアイドル市場に参入してきたところ。まずは、更に力を入れてオーディションを展開しようというところでしょう。
 そもそもソニーと言えば一部門だったCBSこそは南沙織山口百恵郷ひろみ松田聖子とポップス路線のアイドル歌謡における王道を作ったレーベル。
 その後、「アイドル冬の時代」と言われる時期には、「GiRLPOP」でアイドルとアーティストの狭間のタレントをプロモーションして新しい時代を作ったレコード会社です。
 代表的には渡辺美里プリンセス・プリンセスPUFFYなどなど。


 AKBも元々はソニーのレーベル所属だったのですが、諸事情でキングに移籍したのは良く知られるところ。現在も派生ユニットであるノースリーブスがソニー所属ですけど、avexのSKE獲得に続いて二大レコード会社のもう一方がAKB利権に手を伸ばしたというのが、まず一つの興味ポイント。


 二つ目のポイントとして、今回は秋元康はプロデューサーの立場ではないようだというところ。思いっきりオーディションにAKBの写真を使用してますが、直接的にAKBおよび秋元康と関係するということは無さそうに見えます。*1
 つまり同じ土俵の上なら競争はしましょう、という「ゲームの規則」を作ろうとしているのだと思います。
 これによってAKBは乱世を引き起こす「戦国」とは無縁であるとアピールし、仁義を通した人たちとは「切磋琢磨しましょう」みたいな気配りでしょう。
 乃木坂46なら、秋元氏とは所属タレントだった夫人との結婚の際に、遺恨があるという噂の田辺エージェンシー(AKBには非参加)も参入できるでしょうし、他の作詞家にも仕事を「再分配」しますとよ、というところかと。


 小さいところではAKBの模倣グループに対する牽制もあるでしょう。AKBN0とか露骨な模倣は「公認」じゃないよ、という。もちろんAKBN0ぐらいな規模なら目くじらは立てないでしょうが、まだAKB連合が進出していない地方での模倣は更に多くなるでしょうから。


 最後に、地上波でテレビ番組にレギュラー出演するということですが、これはソニーが制作費を出して、AKB系グループにも出演してもらいつつ、自社の9nineやトマパイなどのプロモーションする枠を作るというところかと。またスポンサー獲得のために、AKB勢から誰かレギュラー出演するなんてこともあるかも。
 この地上波のTV局がどこかが興味深いところなんですが、MXやtvkなどのUHF局だと面白いんじゃないでしょうか。

*1:結局、秋元がプロデューサーでしたあ(8月22日追記)