ちゃんと伝わる?

 どうにもツィッターに書きにくいことというのはあるわけです。結構、酔って乱暴なことは、つぶやいたりはしてしまうんだけど、これは140文字じゃ、ちゃんと伝わらないだろうということは避けてんですよね。
 例えば「Tomato n' Pineは1stシーズンが本当、奇跡だったよなあ」とか。
 トマパイは今は3人でやってますが、最初は現メンバーの小池唯奏木純の2人組で始めたところ、1枚CDを出したところで奏木が脱退してしまい、新メンバーのHINAとWADAを加えて再始動。私は第2シーズンになって知ったんですが、正直言って、1stシーズンは、この動画観て「生で見られなかったオレの馬鹿」と思いました。

 でも、トマパイは個人的に今、多くの人たちに聴いて欲しい大プッシュ対象なので「過去の方が良かった」と取られるようなことは、おいそれと140字ぐらいで書けないんですよね。

 ようやく第2シーズンもメジャーデビューでき、WADAちゃんも覚醒して、「もう後はブレイクするしかないでしょ」というところになって、「1stトマパイは儚かったからこそ輝く」と言えるようになって初めて書けるわけです。


 ということで言うと後半の話は時期的に微妙なんですが、やっぱり6人体制の、ももいろクローバーは凄かったなあという話なんですよね。これもツィートできない。
 特に最近、彼女たちへのネガティブな言説が急に増えたような気がするんで、それを後押ししかねないことは言いたくないんですよね。

例えば「グループアイドル進化論」の共著者、岡田康宏こんなツィート

「BLACK PAST」で中森さんが指摘していたけど、今のももクロは「批評が前提とされてしまっていて素材そのものに驚きがない」。予定調和の「伝説」とかどうしようもなく安っぽい。運営は批評の言葉なんかスルーしてファンの声だけに耳を澄ませていればいいのに。早くもっと先に行ってほしい。

それから映画を中心とする社会リサーチ系のライター、松谷創一郎のツィート

テレビにももクロ出てたから見たけど、やっぱ彼女たちはこのままじゃ大ブレイクしないよね。キワモノだからテッペン取れない。しかも女優として大成しそうなメンバーは事務所が辞めさせるし。どうするんだろう、今後。ずっと傍流でいいのかね?

 実際、本当のところは早見あかりを辞めさせたのは事務所だったとしても「公式見解」ではないですから、彼が「裏情報」を鵜呑みにしてるのは確実で、そういう話が業界内で広まっているだろうなあ、と思えます。
 まあ、このへんは中森明夫的なメタ批評に私自身も陥らないようにしなきゃいけないな、とは思うんですけど、やっぱりフェアじゃないことが起こっているような気がします。

 実際のところ「Z伝説〜終わりなき革命〜」が文脈に依存しすぎてて同じ作家(前山田健一)による「行くぜっ! 怪盗少女」と比べて遠心力が遥かに弱いのは否めないんです。でも、そういうのは作品論として言うべきで、「メタ批評」や売れる売れないの「リサーチ」でも語るべきじゃない、そういうことをする書き手は基本的に眉に唾をつけた方が良いよ、というのが私の言いたいところ。


 ということで6人体制が何で凄かったかという話になるんですが、「過剰」にして「必要」という言葉が思い浮かびました。
 5人の方が、それこそ戦隊ものの例を見ても判るようにまとまりが良いのは当然だったわけです。それなのに、まずCDデビュー時の5人に、踊りも歌も超アイドル級の有安杏果を入れたところが、まず過剰だけどグループがレベルアップするのには必要だったといえます。
 この5+1が他にも波及して佐々木彩夏が「ももクロのアイドル」と称してアイドルの中でもアイドルと過剰に押していくことで、アイドルらしくない演出も他の部分でしやすくなったり色々な効果があったのだと思います。
 その中でも早見あかりの低音の歌唱とラップはアイドルポップスにおいて、稀有な「過剰かつ必要」でした。多分、アルトのヴォーカルは石黒彩以来ガールポップから、ほぼ消えていた要素ですし、遥かにアイドル的な表現として展開されていました。
 更に低音のラップと高音のヴォーカルというのは実は現代R&B=ヒップホップの定番です。
 そういう意味でも早見あかりが参加していた時期の、ももクロの曲は奇跡的なものだったんですが、彼女の不在はそれだけ大きなことなので、今のももクロZについては過渡期だとしか言えないです。とりあえずZとしての曲を増やして行って、6人での自己紹介曲「行くぜっ! 怪盗少女」、「ピンキージョーンズ」に頼らずにライブができるようにならないと。
 あー、まだ書き足らないですが長くなったので今回はここまで。