来るべきガールポップ

 今日というか日付をまたいでしまいましたが、7月24日(日)に行われた、秋葉原スマイレージ南波志帆出演のNHK FMの公開録音、それから川崎で9nineのリリース・イベントに行ってきました。

 スマイレージについては後日、新曲「有頂天LOVE」の超絶的な素晴らしさを詳述させてもらうことにして(仮題「ごめんね、つんく」)、ちょっと「アイドル業界」の中心からは離れたところで活動する二組についてレビューしておこうかと思います。

 南波志帆は元シンバルズの矢野博康に見出され、2008年15歳でインディーズデビュー。昨年、メジャーデビューしたソロシンガー。
 年齢的にも、容姿、それから楽曲から言っても広義のアイドルの範疇に入れることも可能な18歳ですが、売り方としては最新型のアイドル商売にはコミットしてません。
 本ブログとしては、ある意味でガールポップの理想形の一つ。
 なんですがライブの南波ちゃんはエンターテナーとしての資質(芸能IQ)の高さを見せつけるMC&パフォーマンスで「アイドル的な受容もドンと来い」的な頼もしさを感じさせる逸材でした。全然、世間の荒波に揉まれても大丈夫そうなハートの持ち主だと思うので、男子にはドンドン女子として応援してあげてほしいなあ、と思います。秋にはソロライブもあるとのことなので、かなり行って見たいです。

 音楽的には、もう一人の元シンバルズ沖井礼二が手がける、アミューズ所属のグループアイドルさくら学院のバトン部(=派生ユニット)Twinklestarsとともに渋谷系ルネサンス的なシティポップとして、活動形態としては吉川友やmomoなどのアイドル周辺の本格派ポップス歌手として、新しい時代を担う存在だと思います。


 さて9nineの方は近年のアイドル好きの人あいだでは私なんかより詳しい人も多いだろう2006年からメンバーチェンジを繰り返しながら続いているグループ。以前、Tomato n' Pineとの比較で取り上げましたが、今回はメインでフィーチャーしましょう。
 初期メンバーの3人、アイドル女優としては一般的な認知度も高い川島海荷、グラビアアイドルとして活動する佐武宇綺あ〜ちゃんPerfume)の実妹西脇彩華に昨年、村田寛奈吉井香奈恵の2人が加入。レコード会社もSONYに移籍してアイドルグループから、非アイドル的なダンス&ヴォーカルグループに路線変更をしています。
 中でも現在センターポジションを務める吉井香奈恵は非アイドル的な資質の持ち主で、川島海荷を中心にした方が「売りやすいだろうに」と思ってしまうんですが。
 それからイベントも、特に都内では平日の夕方という社会人に冷たい対応で、ファンのゾーニングをしているような気配も。ただし売り方は今回もプロモーションのイベントのツアーで3939人との握手を目標にするようなアイドル的売り方は踏襲しています。


 
 楽曲については現体制で3枚目のアゲハスプリングによるプロデュースで品質的には当然、良好。今回はアニメ・タイアップからは離れ、より自主的な作品作りが出来たはずなのですが、収録3曲のうち「Wonderful World」は前作、前々作のタイトル曲と同傾向の自己啓発的な歌詞。
 タイトル曲「夏 wanna say love U」はK-POPともリンクするようなハード目なエレクトロ系R&B。ライブでは、かなりアガる曲ではありますが、メンバーも「肉食系女子の曲ですね、私たちは草食系ですけど…」と言っていたぐらいな企画先行のもので、これが、自主的にやりたいことだったのかと思うと残念。
 とは言え、これまで3枚もカップリングは興味深い曲が収録されていたように今回も残る1曲「too blue」が演者本人たちの等身大に近いだろうサマーソングの佳作。なんだけどライブではやってくれなかったんですよね。
 結局、前回の繰り返しになりますが、タイトル曲はもちろん収録曲全部が、もっと地に足の着いたものになってくれればなあ、と思うんですが…このままで何とか、もう1枚ぐらいシングルを出せるのでしょうか…。


 ということで、またまた比較で持ち出して済みませんがトマパイによる、アニメソングなのにちゃんと実感のある素晴らしい歌詞世界の新曲を。