地下アイドル卒業

 たまにはストレートにレビューもしたいな、ということで。

 
 地下アイドルとも称されるインディー系アイドルの楽曲を14曲集めて1500円のお得盤コンピレーション。アニメ電波ソングからアイドルラップ、オルタナロック系とバラエティに富んでいて、高い確率で、どんなリスナーでも1曲は引っかかりがあるだろう巧みな選曲の1枚で確かに入門には最適かもしれませんが…。

 監修者の吉田豪氏も末期に審査員を務めていたインターネット番組「勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天」の「供養」が裏テーマということ。個人的には当時が本当の「戦国時代」だったよなあ、と思います。

 ハロプロが低迷して、ようやくPerfumeが地下アイドル的活動からブレイクする段階で、AKB48もまだ劇場中心の頃の2007から09年末にAKBが本当にヒットするまで。そうそう、この番組、京楽がスポンサーでした。
 吉田氏本人もtwitterで発言しているようにライブアイドルもので本当に面白いものは一割にも満たないわけで(というか、どんなジャンルも「スタージョンの法則」には従ってる)、「ヌキ天」観て、それは判っていたので、特にライブアイドルは興味が沸かなかったです。とにかく現場に行かなきゃならないのは敷居が高い。

 「ヌキ天」には現在の制服向上委員会のメンバーもソロで出演してたりしたので、本コンピレーションの半分以上は関係楽曲だったり。その中では当然、Negiccoが素晴らしい。

 だけどハイライトは「ヌキ天」とは無関係のhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)による完全新曲「Power Record」だと思います。吉田氏は「アナログ盤をテーマ」にした楽曲と解説してて、確かに途中まではそうなんですが、最後にはCDも登場はしてて、最終的には「録音メディア賛歌」になってます。アウトロもレコードが止まるノイズが入ってて洒落てるし、これは一番最後にボーナストラック的に収録すべきだったんじゃないかな。
 「ライブアイドル」のコンピで「レコード」について歌っていて、それが初CD化の新曲というのが図らずも色々な意図せざる批評性を帯びてしまっていて素敵。
 本CD発売を記念して行われたイベントにも登場したんですが、トークも面白いし注目です。最近、秋葉原でワンドリンクの無銭イベやってたり、亀戸のサンストリートでもライブがあるみたいなんで、公式サイトをチェックして、ちょっと行ってみようかな、と思ってます。
 それにしても最後の「No パワレコ No LIFE」って歌ってるしタイトル「P」を「T」に変えれば…、NegiccoがT-Palette Records所属なのと合わせて、HMVの商品なのに…ねぇ。

イベントでも話題になったPV。