「ご当地アイドルなんて呼ばせません」LinQメンバー高木悠未さん(福岡県14歳)の主張

 Twitterプロフィールより(2011年10月11日なう。)
 タワレコ発アイドル・レーベルT-Palette Recordsと契約し、1stシングル「ハジメマシテ」の全国流通も始まっている九州拠点のグループアイドルLinQのメンバーのツィッター活動が色々と楽しい。今なら、ほぼ漏れなくフォローが返ってきます。

 ここで1曲。LinQのデビュー曲を。

 それにしても志の高さを感じさせるプロフィール文だなあ。
 そもそもご当地アイドルというのはモーニング娘。のブレイク以降、各所で「○○娘」みたいなグループが乱立したのが発端だと思うんですが(あ、パフォーマンスドールは「アイドル」じゃないですよ)、実際のところNegiccoねぎっ娘)も発足経緯はこういうところなわけですね。
 最近だと、AKBインスパイアのアルファベットで略された地名+数字という名前のグループが方々に出来てるんですが、ハロプロとは違うのはオリジナルが各所に劇場をフランチャイズしてチェーン展開していっていること。
 48連合というのはショッピングモールのチェーンような一種の「グローバル化」と考えられます(そういえば最近モールのアイドルイベントって増えてるような)。このまま48連合が勢力を拡大すると、従来のローカルアイドルは厳しい。そこでは、いかにグローカル化するか(地域に根ざしながら超地域級になるか)というのが重要になってきます。その意味で福岡が興味深い状況になっています。

 元々、福岡にはHR(Hakata Rebootの意)というAKB48ハロプロ楽曲のコピーを基本とする劇場型グループアイドルがありまして、LinQの運営会社社長は、その劇場支配人をやっていた人物とのこと。一人メンバーも連れて独立し、結成したLinQの方は完全オリジナル楽曲による公演を行っているとのことで、更にその楽曲のクオリティが高い。「ハジメマシテ」収録の3曲以外もYouTubeに多数上がってますので、是非、チェックを。ソウル寄りのガールポップが好きな方はきっと気に入るはず。

 2ndシングル収録予定曲。

 筆者は東京在住なので公演は流石にチェックできてませんが、その様子については下記の記事が詳しくて参考になります。

「8月14日 LinQ定期公演@天神ベストホール」(KEN爺の小言(KKGT))
「【寄稿記事】LinQ特別公演 school of LinQ 〜チャイムが終われば〜 2nd stage初日公演 @ 天神ベストホール」(あとまくぶろぐ)



 さてLinQは九州広域を意識しているのですが、やはりその中心は福岡で、こちらのシーンが今、非常に熱いようなのはWeb上の情報だけでも伝わってくる最近の状況です。
 前述のHRがかなりの動員を誇っているようですが、他に青春女子学園やQunQunと言った名前が良くWeb上でも登場します。

 青春女子学園は地元のタレント・モデル事務所ノーメイクが運営するグループで、オリジナル楽曲も相当数持っているようです。また大手のスターダスト所属のメンバーもいて10月23日には東京でスタダ主催(出演:momo/クリミテーションZ/みにちあ)のイベントにも参加するそう。乃木坂46に当初、芸名で参加してたメンバーが過去に所属してたり、男女共学(!)を打ち出してオーディションを始めたりでも話題(笑)
 QunQunも地元プロダクションのエレガント運営。こちらの事務所はモーニング娘。生田衣梨奈さんが所属していたところ。更に音楽プロデューサーが娘。のプレデビュー曲「愛の種」作曲でも知られる桜井鉄太郎氏と、微妙にハロプロ色が…。
 このような状況下でコピーグループだったHRもオリジナル曲を発表しているようですが、これにはもちろん48連合のHKT48の福岡進出も関係しているところでしょう。
 何だか3大勢力である48連合、ハロプロ、スタダが揃ってしまうところで、私が「BUBKA」誌ライターだったら「仁義なきアイドル戦国時代 福岡代理戦争」とか書いちゃうかも。
 個人的には楽曲クオリティが第一なのでLinQが一押しですけどね。音楽プロデューサーも福岡在住で完全、独立スタンスが格好いいし。
 基本コピーのHRはHKTが進出するとかなり厳しくなるでしょう。逆にLinQの方は、HKTがSKEやNMBなどと同じく最初はAKBの出来合いお下がり公演をしてくれば、オリジナル楽曲と今回の全国区進出が武器になると思います。


 最後にちょっと蛇足的に追加情報。
 先ごろ大々的にデビューしたFairiesは楽曲が詰まらないので、ほとんど興味が無いのですが、驚いたのがメンバー7人のうち3人が九州出身なこと。これは所属事務所のヴィジョンファクトリー沖縄アクターズスクールとの繋がりからか、九州でも定期的にオーディションをしていたためと考えられますが、Fairiesの結成がHKTへの人材流出を防ぐためと邪推するのも一興かなと。
 ただヴィジョン自体は有名な業界団体所属で、その意味では48連合側ですし、AKBとSKEの振り付けを担当する牧野アンナさんは元スーパーモンキーズでFairiesも鍛えているというところでは、一種の協調関係もありそうなところ。逆にヴィジョンがかかえている研修生をHKTに…なんてことを妄想するのも、また一興かなと。