俺たちのTIF!! つまり「東北アイドルフェスティバル」を待望する

 先日6月2日仙台に遠征して観覧した東北発アイドル大集合のチャリティイベント「Girls for HEART LIGHT SENDAI」については、レポートを書かないまま一ヶ月半が経過してしまいましたが…、いやあまとめ切れないほど良かったんですよ…と半分言い訳ではありますが非常に楽しかったのは嘘じゃないです。
 仙台発アイドルとして現在、一番注目されているドロシーリトルハッピーなどのステップワン所属組や東北最大の実力派、青森のりんご娘の参加は無かったんですが、ゲスト参加したアップアップガールズ(仮)らの東京勢無しでも充実したイベントが組めただろう、いや今後も組めるだろうということを期待させるような内容でした。
 ということで、イベントレポートについては、こちらのネット番組を見ていただくのが手っ取り早いと思いますので、レポ的な書き方を外して、参加した東北発アイドルの面々を紹介して、東北アイドルフェスを待望してみよう!、という趣旨で以下、書いてみたいと思います。
 ですのでゲストの東京組は省略、pramoについては別項でフィーチャーしたので同じく。また見逃した出演者を書いておくと、ソロの安部ひとみさん(宮城県)と後で若干、触れるJEWELとなります。


■とにもかくにも、まず紹介すべきはイベントの企画にも携わったテクプリでしょう。
鈴木京香さんを輩出した仙台の老舗事務所MORADO(旧SOS)所属のモデル系女子高生アイドル4人組(RIKA、RIO、MOMOKA、YUKINO)。楽曲制作は「ニュース23」の最新テーマソングを手がけているトベタバジュンが担当と、とにかく要所要所のレベルが高いグループです。
私も仙台のアイドルはドロシーが入り口ですが、実はテクプリの結成は、より早く2009年。TIFの第一回にも出場。
現在では「東北発信源ユニットSPLASH2012」となっているSPLASHからの選抜メンバー。SPLASHもAKB以降の大所帯育成型グループアイドルとしてはB♭よりも結成は早いよう。ちなみに乃木坂46大和里菜さんもテクプリの同期の元SPLASHです。
デビュー当初からの渋谷系テクノポップ調の楽曲は、現行のシーンでは、ちょっと遅れたPerfumeフォロワー的なポジションしか取れてない部分がありましたが、最新シングル「スキスキスキ」と正式発売前の新曲「Do It!!」(ライブ会場でCD-R販売中)と、アイドルポップの王道メロディと今までの高品質のサウンドが融合した2曲で、かなり入り口の敷居が低くなってきてます。
仙台のイベントではtwitterで「サプライズあり」と予告されていましたが、何と、ほぼほぼ生歌!更に新曲「Do it!!」も披露ということで、最近、かなり東京のライブを回数観ている筆者からしても新鮮に楽しめました。まだまだ発展途上の部分はありますが、それもアイドルとしては楽しめる段階に来てるので、要チェック。
同じMORADO所属では前述のSPLASH2012に加えて、更に下のキッズ世代のJEWELのお披露目もあり。残念ながらJEWELは見逃したんですが、結構、周囲の評判は上々のよう。新生SPLASHも4月から活動開始のようで、まだまだこなれてない部分が多いながらも衣装を含めて全体的な華やかさがあるのは流石に老舗モデル事務所のグループと言った感じで、本当、ステップワンだけ追いかけるのは勿体無いです。


■次に注目すべきはCHAIRMAN'S(チャーマンズ)だと思います。
岩手美少女図鑑出身のモデルさん達による大学生のお姉さん系グループ(現在6人組)。結成は昨年10月。
「盛岡のCQC's」なんて私ほか数名が同時多発的に例えてしまった楽曲派(と言いながら、レベル高過ぎるルックスについて声高に言うのが憚られる人たち)垂涎のグループです。楽曲プロデュースは盛岡出身で、80年代初頭に活躍したニューエイジ・ミュージックのユニット「姫神せんせいしょん」の佐藤将展氏。メンバー交代前のPVとなりますが。

メンバーさんの中にはMORADOにも所属(提携?)している人もいるようで、全体的にテクプリさんとのイベントは相性が良さそうなので期待したいところ…と思っていたら、8月17日に仙台MACANAのイベントで共演するそうです。


チャーマンズも震災後に結成されたグループですが、次の宮城県の2グループは、より直接的に結成の動機となっている二組。


みちのく仙台ORI☆姫隊は、チャリティ活動も頻繁に行っているグループ。よさこいの衣装メーカーが基盤になっているらしくメークの仕方にもそのへんの感じが出てたような。これには、ちょっと驚かされた、というか途中から、かなり真剣なまなざしで見てしまいました。全然、評判が筆者には届いていなかったので。
フォーマットとしては一番、48系に近いグループでリップシンクで大人数が踊るスタイルなんですが、まあ可愛い子集めたなあ(個人的にはハンナさんに、かなり注目させれました)、というのに加えて、四つ打ちのなかなか良い曲があったり。48系スタイルの構造的な強さを感じさせられました…。かなり東京から来仙した観客を魅了した模様。


SCK GIRLS(旧称SCK45)もネーミングと大人数という点には48系の影響がありますが、こちらは生歌中心です。楽曲も地元出身のロック系のミュージシャンがプロデュースされていて、ちょっとメロコアっぽいサウンドロック系アイドルの中でも、かなり新鮮だと思います。東京でも、つんつべ関連イベントなど活動が増えているところ。
震災後に歌うことの意味を踏まえた楽曲と真っ直ぐな歌唱が非常に胸を打つグループですが…芸能的なグループの目玉はセンターを務める若干11歳(小学5年生)のリカコさんの圧倒的なアイドル力と言わざるを得ません。動画はYOUTUBEに沢山上がってますので、是非チェックを。SCKは、この後、もう一回ライブを見る機会がありましたが、正直、リカコさんはかなりの逸材なので、今のうちからしっかりレッスンを受けられるような環境を整えてあげて欲しいなあ、と思うところ。


■NYTS(福島県浪江町)と巻っ娘V(宮城県石巻)という焼きそばPRユニット二組も初々しいパフォーマンスを披露。石巻津波被害が大きかった地域ですが、浪江町は現在、原発事故で完全避難の地域…。そんな彼女らが元気に歌い踊る姿を見るだけで色んなものを貰ったような気がしました。太麺の「なみえ焼きそば」とてもおいしかったです。


 ということで、今回のイベントでは、りんご娘とドロシーおよびステップワン勢の参加はありませんでしたが、実はpramoとりんご娘は交流が進んでまして、9月にも共演のイベントがあったり、pramoが共演の際にコラボしたりんご娘の「トレイン」を単独イベントのレパートリーに取り入れていたり。また前述のテクプリとチャーマンズの交流と、徐々に東北発アイドルのネットワークが広がっているのが興味深いところ。
 これがより大きな動きになって、また大きなイベントが開催されることを期待せずにはいられません。はっきり言ってMIX打てる系の曲に飽きた方にオススメの多様なグループのいる東北は要注目!