ももクロ攻撃して安心してるだけじゃ痛い目に遭うぜ!>自分(FS36)

 ということで、また前回の補遺のようなかたちですが、自分で反論しちゃうと運営しているスターダスト自体も無理に、ももクロに「10万枚の壁」を突破させようとしてないというところもあります。次回シングルの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」については、とうとう初回盤と通常の2パターンだけになりました。これはAKBはもちろん、ハロプロスパガなどの3パターン以上で枚数を稼ぐ商法とは一線を画したかたち。一般のお客さんは凄く買いやすいですよね、やっぱ。
 こういうのは評価しないといけないよなあ、と素直に思います。


 所謂、「ももクロはアイドルの枠を超えている」的な言説というのは、まあ新規ファンだけじゃなくて、運営サイドにも一定の責任はありまして、今回は楽曲的、それも歌詞やコンセプトについては余計な「サブカル」とかそういう別の言説の曖昧さが纏わりついてきて、話が面倒になるので、純粋に曲の側面から、その点を考えてみようというところなんですが、まず「次のシングルは良いよ!」ということを先に言っておきたい。まず聴いてください。

 ということで遡って「労働賛歌」から行きますが、ここから離れていった昔からファンも多かったように感じられるところ。これは曲のトラック自体は良かったと思います。ただ素直なダンスミュージックからは離れてしまって「ロック」の方にズレてしまったというのは否めません。次の「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」は以前から多数ももクロ楽曲を手がけてきた前山田さんの作品ですけど、これも、まあヘビメタ、ハードロック寄り。前作の「Z女戦争」は相対性理論やくしまるえつこ作詞曲で、相対性理論自体は非常にグルーブのあるニューウェーブリバイバル的な音を出しているバンドなんですが編曲がまたまた踊れない…正直、ちょっと酷いものだったということで、ダンスミュージックとしてのアイドルポップの「枠からはみ出して」しまった、というのは事実でしょう。


 さて、そして今回の布袋寅泰作曲編曲のシングル曲ですが…すみません。正直、布袋さんをナメてました。さーせん。
 実際のところ発注した側はネームバリューで選んだのかもしれませんが、流石にヤンキーにも愛される音楽を作ってきた人は「判ってる」なあ。「ロック」がダンスミュージックを否定してない。
 エレクトロ隆盛時代にもマッチしたシンセサウンドが強調されたリフの強烈なリズムからして、最近の楽曲では感じられなかったワクワク感があります。実は企画シングルとして発売された桃黒亭一門名義の「ニッポン笑顔百景」も前山田さんによる原点回帰的な側面の強い曲(「和の要素」が入っているところからすると前山田さんが関わる以前のインディーズデビュー当時の原点も含みの)だったんですが、最新シングルは違った方向性で一般の、それこそヤンキーも踊れるものになってます。
 それから布袋さんには悪いけど、歌詞を自分で書くと曲のリズムを損ねちゃうようなところが少なからずあったりするところ、本作の作詞は岩里祐穂氏が担当してるので、そういうところも無し。


 まあ、色々という人は今回もいるでしょうが、私はこれで10万枚達成したら、全然、文句ないです。素直に嬉しいな。