「GET YOU」ドロシー盤をレビューするよ!(フィーチャリング早坂香美で)

 さて発売されたBiSとDorothy Little Happyのコラボシングル「GET YOU」。ドロシー盤、非常に充実した内容となっています。何よりもタイトル曲以外のカップリング2曲で坂本サトルさんがプロデューサーに復帰というのが大きいですが、こちらについてはオリジナルの「壊れちゃう 崩れちゃう」と合わせて次回にでも。まずは今回もタイトル曲のドイヒーなPVから。

 さて初めて、このPVで歌にパート割が判って驚いたのが、歌い出しがドロシーの早坂香美さんから始まるところでした。というのも、最近まで彼女はグループの中でも一番、控えめなポジションで来ていましたから。このへん御自身の性格もあるのかもしれませんが、まずはグループ結成当初はバックダンサーで、その後にメンバーとして加入したという経緯から来るものかもしれません。ステージ上では、ダンススキルを活かして全体を盛り上げる役割が、これまでは多かったように思います。

 とは言え、私個人的には初めて彼女たちのステージを見たときから結構、彼女には注目しておりまして、下世話な話になってしまいますが…。ドロシーのことを初めて知ったのはエビ中、momoさんと共演した時にスタダの偉い人が、こんなツイートをしてたからだったりするのですが。

ドロシー さんもスキル高いです。一人ずぬけて ビジュアルのよい子が いました。

これを念頭に置いてTIF2011でドロシーを見たとき、早坂さんと富永美杜さんと「どっちのこと言ってたのかな」と思ったぐらいに…まあ、このへんは「好み」の問題ですので。


 ということで、ずっと早坂さんは「ダンスが上手だなあ」という認識だったのですが、「GET YOU」を聴いて「あ、歌もかなり行けるじゃん」と思った次第。
 シングルに収録のBiSのカバー「nerve」ではドロシーの曲では初めてと言って良いほど高橋さん以外もソロで回す部分が中心になっているのですが、こちらでもかなり活躍してます。古川昌義さんのカッティングギターをフィーチャーして、原曲から、かなりファンキーな方向にアレンジしたサトルさんの見事なプロデュース。是非CDで聴いて欲しいです。

 良く「見た目は大人 中身は子供」みたいなアイドル定番の自己紹介がありますけど、これを使わない早川さんの方が実際、ドンピシャでそういうところがあって、ブログや公式twitterでのツイートとか見てると判りますが、「nerve」の方の振りは彼女の茶目っけの部分が良く出ていると思います。

 逆に「GET YOU」ではドロシーメンバーの中でも大人っぽい部分の良さが出ていますし、音楽ではマルーン5とかがお気に入りらしい、というところからも「GET YOU」はかなり好きな曲調だろうなあ、ということが予想されまして、かなり御本人もノってるし、本曲に対しての気持ちが強い様子が見受けられます。


 それにしても振り返ってみればドロシーの代表曲の「デモサヨナラ」でもBメロでは秋元瑠海さんと共に左右で歌っていて、CDの音源では結構、しっかりと歌声が聴けるところ。なのに何でヴォーカルで目立たなかったか…と考えると、やっぱりステージで歌うことに慣れてなかったんじゃないかと思います。例えば最近はなくなりましたが一年前ぐらいまでは、下記の動画でも確認できるように音を取るためにか、右耳を押さえることが多かった早坂さんです。

 早坂さんはドロシーに加入したのが最後というだけじゃなくて、メンバーの中では事務所ステップワンに入ったのも一番、遅いんですね。ステップワンの特徴として、小学校低学年から活動している人たちも多く、また一般客も観るオープンスペースでのイベントも経験豊富ということで、例えばメジャーデビュー組以下のトップグループであるB♭(ドロシー、Party Rockets、それから現モー娘。の石田さんも、ここ出身)でも非常にステージ慣れしていて、一般的なローカルアイドルに比べて実践=実戦に頗る強い、というところがあるわけですが、その中でもステージ経験が少なく、しかもバックダンサーをしてた早坂さんは、なかなかステージ上ではヴォーカルで力を発揮できずにいた、というのが事実かもしれません。

 そんなところで早坂さんが総合的なスキルを発揮し出して、目立ってきたところで、まだまだグループとしても実は結構、大きな伸びしろがあったことが判明。これからが本当の意味でグループ一丸となったパフォーマンスを魅せてくれることが期待できます。
 またまた次回に続く。